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クリエイターのためのNFT講座② – NFTを作って売ってみよう!

ファオ
ファオ
クリエイターのためのNFT講座第2回!
今回は実際にNFTを作ってマーケットプレイスで売る方法を説明するよ!

クオン
クオン
前提として、ブラウザはPCのChromeを使います。
NFT、ブロックチェーン関連のサービスがPC版のChromeにしか対応してないことがあるためです。

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事前準備① 仮想通貨の取引所で口座を作ってETHを入手しよう

前回の記事で説明したように、NFTの発行と取引にはイーサリアムというブロックチェーンネットワークを使う。
で、イーサリアムを使うにはGAS代としてETHという仮想通貨が必要になる。

ETHがなければほとんどなにもできないんだな。

うん。
なので、仮想通貨取引所の口座はできるだけ早く作って、ETHを入手できるようにしてしまおう。
NFTを販売して手に入れたETHを日本円に換えるときにも使うからね。

仮想通貨の「販売所」というところで取引所からETHを買うと割高なので、できるだけ「板取引」というユーザー間で取引できる場でETHを買うようにしてね。
ビットフライヤー(bitFlyer Lightning)ZaifBitbankといった取引所が板取引に対応してる。

事前準備② 英語のサポートツールをセットアップしよう

さて次の準備だ。
英語関係のサポートツールのセットアップをしよう。

英語〜?
英語使うの〜?
英語わかんね〜。

英語が苦手な人でも海外のサービスを使えるようにするためにサポートツールをいれるんでしょ!

しゃーないなー。

Google翻訳をChromeにインストール

まず、Chromeに必ず入れておいてほしいのはGoogle翻訳のエクステンションだね。
ページを丸ごと翻訳したり、選択した箇所だけをその場ですぐ翻訳したりととても便利。
これはぜひ使おう。

わからない文章や単語をその場で訳せるのはスムーズでいいな。

もう一つ、Deeplという翻訳サイトとWeblioという辞書サイトもブックマークしておこう。
NFTを作るときに何らかの英文を書かなければいけないことがあるからね。

他にも便利な英語のサポートツールはあるけど、とりあえずはこんなところかな。

事前準備③ ウォレットアプリ”MetaMask”をセットアップしよう

さてここが特に大切な事前準備となる。
NFTを作って販売するにあたり、「ウォレットアプリ」というものが必須になる。

うぉれっとあぷり???

イーサリアムのブロックチェーンを使うために必要な仮想通貨であるETHを管理するためのアプリだよ。
ETHをはじめとした仮想通貨(トークン)の送信や受信といった基本機能に加えて、各種イーサリアム関連サービスへのログインやサイン(署名)などのアカウント管理もできるスグレモノだ。

今回はもっともメジャーなウォレットアプリであるMetaMask(メタマスク)を使うよ。
これもChromeのエクステンションで無料で利用できる。
セットアップの方法は「メタマスク(Metamask)の使い方・基本編」という記事にまとめてあるので、これを読みながらインストールと設定を行ってね。
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はじめてのことだったので少々てこずったが、なんとかセットアップできた。

最初はしょうがないよ。
使っていけば慣れるからね。

⚠️重要!ウォレット管理の注意点

実際にMetaMaskを使ってNFTを作る前に絶対に守ってほしい注意点がいくつかある。
これを破ると、ウォレットをハッキングされてすべてのETHやトークン、さらには自分が作ったNFTまで失う危険性があるからね。

こわっ!
おどかすなよ、ファオ!

おどしじゃなくて本当にある危険だよ。
安全にイーサリアムのサービスを使ってもらうために、今から説明することは必ず守ってもらいたい。

MetaMaskを使うにあたっての注意点

  1. 絶対に12個のパスフレーズ(ニーモニックフレーズ、復元フレーズ)を他人に教えない、サイトに入力しない
  2. パスフレーズはオンラインのメモ帳で保管しない
  3. 検索サービスを使ってブロックチェーン関連のサービスにアクセスしない

MetaMaskをセットアップするときに保管したパスフレーズは、それだけでアカウントを復旧できてすべての操作もできる特別なパスワードだ。
これを自分以外の人に知られてしまうと、その人に自分がウォレットで管理している資産をすべて自由に使われてしまう。
だから、パスフレーズは何があっても絶対に他人に教えてはいけない。たとえ、家族であってもね。

たった12個の単語にそれだけの力があるのか!

そうだよ。
他にも秘密鍵、プライベートキー、シークレットキーと呼ばれるものにも同じ働きがある。
これらはいずれにしての他人に絶対に漏らしてはいけない情報だ。

なので、EvernoteとかDropboxとかメモ帳とか、オンラインでパスフレーズをメモしたファイルを保管するのもたいへん危険な行為になる。
ハッカーに侵入されてファイルの中身を見られる危険性があるし、サービスの運営者が中を見てないとも保証できないからね。

こえー。マジでこえー。

ではパスフレーズはどうやって管理すればいいんだろうか?

基本的には紙にメモして安全な場所で保管しておくことだね。
無くさない、見られないように十分なケアが必要だけど。
他にはパスフレーズを暗号化して保存できるパスワード管理ツールを使うという方法もある。

パスフレーズが他人に見られなくても、自分でなくしちゃったらどうなるの?

永久にロスト。
いっさい自分の資産を動かすことができなくなる。

永久ロスト!?

本当だよ。
パスフレーズか秘密鍵がなければ、だれであってもアカウントを復旧することはできない。

でも、ちゃんと管理していれば他人に勝手に自分の資産を動かされたり盗まれたりすることがない。
ブロックチェーンとはそういう仕組みで動いているんだ。
クオンが持ってる剣と一緒で、正しく使えば自分の身を守ってくれる。正しく使わないと自分を傷つける。

パスフレーズは厳重に管理しないといけないな。

自分を守るためのアドバイスをもう一つ。
ブロックチェーン関連のサービスにアクセスする時は検索は使わないように!

なんで?

フィッシングサイトが紛れ込んでいるからだよ。特に広告欄は高確率でフィッシングサイトだ。
初めてサービスにアクセスするときは、Twitterで公式アカウントをまず探し、そこのリンクからアクセス。
そのサイトをブックマークして、その後は必ずブックマークからサイトにアクセするようにしよう。

Twitterにニセアカウントがあったりしないの?

その危険性もないわけではないから、フォロワー数やツイートをしっかり見て本物かどうかチェックしよう。

危険なことだらけで使うのがすこし怖くなってきたな……。

最初だから特にキツめにいったよ。
正しい使い方ができれば、むしろ安全だ。
ブロックチェーン関連のサービスを使うときには、自分の身は自分で守るのが大切ということだよ。

OpenSeaで最初のNFTを販売してみよう

ではいよいよここから実際にNFTを作って販売する手順を説明していくよ。

ようやく本題だ!

サービスは前回の記事でも出てきたOpenSeaを使うよ。

そこが一番メジャーなのか?

アートNFTを売るなら他にも有力な候補はあるんだけど、ここを最初に使うべきとしたのは明確な理由がある。
それは、GAS代をかけずにNFTを発行できるということなんだ。

GAS代がかからない?

さっき、「イーサリアムのネットワークを使うにはGAS代としてETHが必要」って話をしたでしょ?

うむ。

今、ETHとGAS代の相場がかなり高騰していて、NFTを1つ作るだけでも数千円から時には1万円を超えるようなコストがかかってしまう。

たけえ!!

たしかに高いな……。
NFTが売れるかどうかまだわからないのに、いきなりそれだけの価格を支払うのはつらいものがある。

ところがOpenSeaだと、NFTが売れるまでGAS代が発生しないという仕組みがあるんだよね。
実際にはNFTの作成者がGAS代を負担するのではなく、NFTの購入者が負担してるということなんだけど。

OpenSeaでアカウントをアクティベート(有効化)するときにいくらかのGAS代が必要になるけど、それを済ませたあとはNFTを無料で作って売れるようになるよ。

そりゃたしかに都合がいいな!

機能もいろいろ充実してるし、世界最大のNFTマーケットプレイスだけあってお客さんも多いし、NFTロードの出発点としてOpenSeaはうってつけだよ。
もちろん他にもNFTマーケットプレイスはたくさんあって、作品によってはOpenSeaでなくてそっちを使う方がいいケースもあるんだけど、今はまだ知らなくていい。

最初のコストをかおさえてNFTを作れるというだけでも、OpenSeaを使わない手はないな。

OpenSeaでのNFTを作って販売する方法

事前準備や説明がだいぶ多くなってしまったけど、ここから実際にOpenSeaでNFTを作っていくよ!

OpenSeaのアカウントを作成しよう

まずOpenSeaのトップページにアクセスしよう。
そこでOpenSeaとMetaMaskを接続するよ。
MetaMaskを起動して「Not Connected」をクリック。

OpenSeaと接続するアカウントの「Connect」をクリック。
これでMetaMaskの機能がOpenSeaで使えるようになるよ。

そしたらOpenSeaに戻って右上の丸いアイコンにカーソルをあわせて、「My Profile」をクリックだ。

自分のユーザー名とメールアドレスを設定するよ。
歯車マークをクリックしよう。

MetaMaskで署名(サイン)して自分が正しいユーザーであることの認証を行う。
「署名」ボタンをクリックだ。
MetaMaskでの署名はこの後も何回か出てくるよ。

自分のユーザー名とメールアドレスを入力して「Save」ボタンをクリック。

MetaMaskで署名するよ。
署名が終わると認証のメールが送られてくるので、それに掲載されているリンクにアクセスして認証を完了させよう。

「My Collection」を作成しよう

アカウントの認証が完了したら、右上の「Create」の上にカーソルを移動させて「My Collections」をクリック。

このMy Collectionsのページが自分のNFTを管理する場所だよ。
「Create」ボタンをクリック。

利用規約の確認画面が表示されるので、チェックを入れて「PROCEED」ボタンをクリックだ。

ここでまた署名をおこなう。

作成するコレクションの情報を入力するよ。
コレクションの名前を入力して「Create」ボタンをクリックしよう。
ロゴ画像と説明文は後で設定できるので今は空白でもいいよ。

これでコレクションの作成が完了!
「Add Items」ボタンをクリックしてコレクションのページに戻ろう。

コミッションの利率を設定しよう

NFTを作成する前に、NFTが二次販売されたときに自分にバックされる収益の利率を設定しよう。
「EDIT」をクリックだ。

画面をスクロールすると「Commission」という項目があるから、そこで利率を設定しよう。

何%くらいに設定するといいのかな?

5%前後に設定してる人が多いようだよ。
あまり高すぎると購入者に嫌われるし、安すぎると自分が後で泣くことになるからから、まあだいたいそれくらいじゃないかな。

ではとりあえず5と入力して保存しておこう。

最初のNFTを作成しよう

コレクションのページに戻って最初のNFTを作成しよう。
「Add New Item」をクリックだ。

NFTの情報を設定するよ。
ファイル、名前、リンク、説明の各項目を入力して「Create」ボタンをクリックしよう。

NFTにはどんなファイルが使えるの?

JPG、PNGといった画像ファイルに加えて、MP4のような動画ファイル、GLTFという3Dモデル用のファイルが使える。
容量は40MBとそこそこあるから、長い動画でもなければ問題ないと思うよ。

けっこういろんなことができるんだな!

OpenSeaではNFTの中身を後で修正できるから、最初は仮の内容でもいいよ。

NFTの情報が入力できたらMetaMaskで署名しよう。

これでNFTが作成できた!

どこかで見たことあるようなオレ!

なんでちくわ……。

「Sell」ボタンをクリックすればそのまま販売情報を入力する画面に移動できるよ。

最初のNFTを販売しよう

販売用ページでは、NFTの販売方法や値段などを設定できる。
販売方法はいろいろあるけど、よく使うのは「Set Price」。固定額での販売だ。
「Price」の項目に販売価格を入力しよう。

どれくらいの値段に設定すればいいかさっぱりわからんな……。

値下げは後からいつでもNFTのページでできるから、最初は高めに設定しておくといいよ。
様子を見ながら、売れるまで少しずつ値下げしていくといい。
値上げはできないから注意だ。

1ETHというのは日本円にしてどのくらいなんだ?

今(2021/2/15)のレートだと17〜18万円といったところだね。
CoinGeckoのような仮想通貨の相場サイトでレートを確認しよう。

さて、NFTの販売条件が設定できたら「Post Your Listing」のボタンをクリックしよう。

ここで初めて自分のアカウントをアクティベートするためにGAS代を払ってトランザクションを送ることが必要になる。
このトランザクションが承認されれば、NFTがマーケットに並んで他のユーザーに買ってもらえるようになるからね。

トランザクションとは、イーサリアム上のサービス(スマートコントラクト)を利用するために、ウォレットを使って発行する命令書となるデータのことです。

GAS代がかかるは最初のこの1回だけで、以後は無料でNFTが発行して販売できるようになるからね。

あとは無料になるとはいえ、最初に70ドルもとられるのかよ……。

以前なら数百円くらいでできたんだけどね……。
今はETHとGAS代の相場がめっちゃ高騰してるからどうしてもこれくらいかかってしまう。

ちなみに、Raribleなど他のNFTマーケットプレイスでNFTを発行する際は、だいたい上の金額より少し安いくらいの額のETHが必要になる。
Raribleの場合はNFTを発行するたびに費用がかかるので、最初からある程度NFTの種類を増やしていくのならOpenSeaの方が都合がいい。
一方で、Raribleは同じNFTを数十枚とか一度にまとめて発行できるので、安くたくさんの枚数を売りたいのであればRaribleの方が都合がよかったりする。

ふーむ。
NFTのサイトによって機能がけっこう違うようだから、どこを選ぶか難しい問題だな。

各NFTマーケットプレイスの特徴や違いは次回の記事でまとめるよ。
今回はOpenSeaの使い方を説明したけど、その記事を見てから最初に使うサイトを決めてもいいんじゃないかな。

あと参考までに、MetaMaskやOpenSeaの使い方とイーサリアムを使っていて困ったときに役に立ちそうな記事をピックアップしておくから、適宜参照してほしい。

NFTを販売できるようになってからが本当のスタート!

さてさて、これでようやくNFTの作成と販売ができるようになったわけだけど……。

初めてのことだらけですっごい疲れた……。

これでもだいぶ説明をはしょってるんだよね。
イーサリアムやNFTマーケットプレイスを快適に使うなら、知っておいてほしい知識がまだまだたくさんある。

そんなに一度にたくさん覚えきれるか!

だよね。
なので最初はステップバイステップだ。
一つずつ確実にできることを増やしていけばいいし、使っていけば慣れる。

それでもほんと覚えることだらけだな……。

まあしかしだよ。
始めるのがたいへんということはそれだけ競合が少ないということで、いち早く市場に参入してチャレンジすれば大きな収穫を得られるチャンスがあるということだ。

たしかにアートNFTの取引量はここ最近うなぎ登りのようだからな。

これからさらに大きな成長が見込めるマーケットなのに、その中に日本人のクリエイターというのは数えられるほどしかいないんだよね。

日本のマンガやアニメのカルチャーは世界で受け入れられてるのにな!

うん。これは本当にもったいないことだと思う。
だから、この記事を読んでくれたクリエイターにはぜひ未開の広大なマーケットに飛び込んでほしいし、ピプリクトはそれを応援・支援したいと思ってる!

日本のクリエイターにどんどんNFTのマーケットにチャレンジしてもらいたいな!
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