NFT

クリエイターのためのNFT講座① – NFTってなに?

ファオ
ファオ
この記事を見てるみんなは”NFT“って言葉は聞いたことがあるかな?

コロネ
コロネ
知らねーの!?
ぷー、だっさ!

そこ、茶化さない!
コロネだって1ミリも知らないでしょ!

クオン
クオン
NFT“とは、”ノン・ファンジブル・トークン“の略で、「世界に一つしかない作品」のような意味です。
多くのデジタルアートがNFTの形でこの世界に生み出され、現在主に海外で急速に取引の市場が広がっています。

日本ではクリエイターの人たちにもまだまだこのNFTとその取引市場の存在は知られていないのが現状だ。
このNFTをうまく活用すれば、クリエイターが直接マーケットにアプローチして自身のアートワークを販売し、収入源を広げられる可能性がある。

そこでこの”クリエイターのためのNFT講座“では、NFTの仕組みを説明して、自分のアートをマーケットで販売する方法を解説してあげようってわけだな!
10万円くらいとりたいところだけど、これがタダだぞ!
すげーだろ!

恩着せがましい……。

このシリーズは全4回を予定していて、今回はその第1回として、そもそもNFTとはなんなのか、どんなことに使われるのか、どんなメリットがあるのかという基本知識的なところを説明するよ!

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“NFT”とは?

アートとしての”NFT”

そもそもNFTってのがなんだかわからん!
英語でゆーな、英語で!

NFTといわれてもいきなりでは想像がつかないな。
どういったものなのだろうか?

百聞は一見にしかずで実物を見てもらった方がいいかもね。
このOpenSeaってサイトのこのページにアクセスしてみてほしい。
NFTのサンプル - クリエイターのためのNFT講座

私の水着姿!
なんでこんなものが……!

画像が動くしなんかかっこいい音楽も鳴るな!

これはこのサイト、ピプリクトが作って販売してるNFTだよ。
こんな感じでイラストと音楽を組み合わせて一つのアートワークを作り、それをマーケットで販売できるんだ。

売るのはいいけど、買ってくれる人なんているの?

いるよ。
たとえばこのBeepleってアーティストの”CHILL FOR A SEC WITH THIS CAREFREE BABY GOAT“という作品は75,000ドルで売れた。
Beepleの作品 - クリエイターのためのNFT講座

75,000ドル!?

このCryptoPunksってサービスのレアなアイコンは76万ドルで取引された。

これが76万ドル???????

どう見てもただのシンプルなドット絵にしか見えないが……。

まあ、希少性とか歴史とかバブルとか、いろいろな理由があってこういう値段がつくんだけど、ここまで高額で取引される作品はごくごく一部。
それでも、多くのアーティストとコレクターが参加して、毎日多数のNFTが取引されて、急速に市場が伸びているんだよ。

よっしゃ!
なら、この画像パクってマーケットで売ってやろ!

クオンスラーーーッシュ!!!

ギャー!!!

悪は滅びた……。

コロネみたいにアートをパクってマーケットで売ろうとする悪い人は後を絶たないんだけど、NFTのよさは偽造を防ぐ仕組みがちゃんと入っているということだね。
そのあたりは後でくわしく説明するよ。

アートだけではないNFTの用途

ここまではアートとして取引されるNFTを例として挙げたけど、NFTの用途はそれだけにとどまらない。
いくつか実用例を紹介するよ。

ゲーム用のNFT

アート以外でNFTの用途として特にメジャーなのはゲーム用のアイテムだね。
RPGのキャラクターだったり、TCGのカードだったり、レーシングゲームのF1カーだったりと、さまざまな形がある。
ゲーム用のNFT - クリエイターのためのNFT講座

NFTはゲームにも使えるんだな!

なにっ、なぜ生きてるんだ!?
たしかにしっかりとトドメを刺したはずなのに……。

死んでねーよ!!

少し前まではNFTといえばほとんどゲーム用のもののことだった。
今はアートNFTの取引が盛んで押されがちだけど、ゲーム用NFTもこれから大きく市場が広がっていきいそうな分野だよ。

VR世界の土地になるNFT

これもゲームの一種と言えるかもしれないけど、VR世界の土地なんかもNFTになっている。
SANDBOXのランド - クリエイターのためのNFT講座 SANDBOXのゲーム画面 - クリエイターのためのNFT講座

VR世界の土地のNFTを持っているとなにができるんだ?

自分で土地にいろいろなオブジェクトやゲーム要素を設置して訪ねてきた他のプレイヤーに遊んでもらったり、あるいは自分が持ってるNFTを飾って美術館を作ったりとかね。
土地をいろいろとカスタマイズができるんだよ。

ちなみにこちらはCryptoVoxelsというVRのサービスで作ったピプリクトのNFTを飾っているギャラリーだよ。
実際に歩いて回れるから、ぜひアクセスしてみて。
ピプリクトギャラリー1 - クリエイターのためのNFT講座 ピプリクトギャラリー2 - クリエイターのためのNFT講座

これは本当にすごいな!

NFTってすげーんだな!

OpenSeaというサイトではアートNFTもゲームNFTもありとあらゆるNFTが取り扱われているから、散策してみるといい。
アートNFTを中心に見たければ、SuperRareNifty Gatewayというサイトを見て回るといいよ。

NFTのしくみとメリット

さて、実際のNFTがどんなものか見てもらったところで、NFTの仕組みの説明をしよう。

さっき、「NFTは偽造を防止できる」という話があったが……。

うん。
NFTには偽造が防止できること以外にもたくさんのメリットがある。そのあたりを仕組みと合わせて説明していこう。

ブロックチェーン技術で発行者と所有者がだれか明確に

NFTというのは単にインターネット上のサーバーで保管されているファイルではない。
ブロックチェーンという新しい技術を用いて、だれがそのNFTを発行したのか、だれがそのNFTを所有しているのかが管理されているんだ。

ブロックチェーン!?
出た、謎ワード!

ブロックチェーンのくわしい仕組みについてちゃんと説明しようとするととんでもない長さになるから、今回は要点だけかいつまんで説明するよ。
ブロックチェーンのイメージ - クリエイターのためのNFT講座

ブロックチェーンというのは、世界中に散らばったたくさんのコンピューターがインターネットで繋がって、情報を常に同期しアップデートしながら記録している大きなネットワークだ。
同じ情報をたくさんのコンピューターが保管し互いに検証しあっているから、勝手にウソの情報を作り出したり記録を改竄したりすることができないようになっている。
しかも、その情報はすべて公開されていて、だれもが検証に参加することができる。

うーん、なかなか難しいな……。

NFTを作るクリエイターにとって特に大切なのは「勝手にウソの情報を作り出したり記録を改竄したりすることができない」ってところだよ。
NFTはブロックチェーンでしっかりと情報が管理されているから、だれがそのNFTを作ったか、今だれがそのNFTを保有しているかということがだれの目からも明確にわかる。
ブロックチェーンの特徴としてとりあえずここだけは覚えておこう。

NFTは「価値のコピー」がされない

ブロックチェーンでNFTを発行したのがだれか明確になるとどんなメリットがあると思う?

ちゃんとオリジナルとして作られたものなのか、他人がコピーして作ったものなのかがかんたんに識別できるようになるな。

そうだね。
NFTは作品の真贋の識別が容易でコピーできない。そこがとても大切なところだ。

はー。
でも画像コピーしてそれで新しいNFTを作るのなんてだれでもできるだろ?

それはもちろんできてしまうね。
なので、正確には「NFTは価値をコピーすることができない」というべきかな。

画像をコピーしてNFTを作ったところで、オリジナルの作者自身の手によるものでなければそれは本物とはいえないな。

だよね。
ゴッホの「ひまわり」の完璧なコピーがあったとして、現実世界ではそれの真贋を見抜くのは難しいけど、ブロックチェーンの世界であればだれでもかんたんに判別することができる。
作品の来歴が明確だからね。

ニセモノをつかまされる心配がないのはいいな!

クリエイターにとって、ニセモノがオリジナルとして勝手に出回ることがないというのはとても大切なことでしょ?

ファイルをコピーされることは防げないとしても、価値を横取りされることがないというのは安心感があるな。

NFTは二次販売されると取引額の一部が発行者に入ってくる。転売ウェルカム!

NFTがブロックチェーンで管理されていることのメリットはまだまだあるよ。
自分がNFTを作って売ってしまった後も収益を生み出してくれる可能性があるということだ。

どういうこと?

たとえば現実世界でコロネが画家だとして、若い頃に作品を10万円で売ったとしよう。
後にコロネが画家として大成して、その作品がコレクターの間で1億円で取引されるようになった。
でも、作品が何度も取引されてどれだけ大きなお金が動いたとしても、コロネが得られる利益は最初に作品を売ったときの10万円だけだ。

オレの作品が1億円で売れてるのに、オレに入ってくるのは10万円だけかよ!

ブロックチェーンのNFTならこういう悲劇を避けることができる。
NFTを最初に発行するときに、発行者は将来発生する二次流通の取引額から一部を受け取れるように設定することができるんだよ。

二次流通って?

NFTが発行者の手から離れた後の、第三者間での売買のことだよ。
例えば、二次流通でNFTが100万円で売れたとして、NFTの発行者がシェア率を10%に設定していれば、発行者はその取引から10万円を受け取ることができる。

クリエイターが将来有名になって作品が高額で取引されるようになったときに効いてくるな。

クリエイターにとってこれはとても大きいよね。
現実世界のように、アートの取引で儲かるのは画商ばかりということにはならない。
クリエイターもその恩恵にあずかることができる。

なお、この二次流通時に発生するマージンについてはまだ完璧な仕組みではないよ。
AというNFTマーケットプレイスで発行したNFTが、Bという別のNFTマーケットプレイスで取引された場合、このマージンが発生ないことがある。

NFTはいろんなサイトやアプリで表示したり使ったりすることができる

NFTがブロックチェーンで管理されていることのメリットはまだまだある。
NFTは一つのサイトの中でしか見れないわけじゃなくて、いろんなサイトやアプリのなかで表示したり使ったりすることができるんだよね。

いろんなサイトやアプリで?

うん。
実際に見てもらおうか。
これはさっき見てもらったOpenSeaで自分のNFTコレクションを表示したケース。
OpenSeaで自分のコレクションを表示 - クリエイターのためのNFT講座

で、こっちはConataというVRのサイトで自分のNFTを表示してみたケース。
Conataで自分のコレクションを表示 - クリエイターのためのNFT講座

サイバーな感じでかっこよく表示されてる!

こういった感じで、VR世界で自分のNFTコレクションを見てもらえるようにできるサービスは他にもいくつかあるよ。
さっき少し紹介したCryptoVoxelsDecentralandといったサイトが代表的だ。
CryptoVoxelsの画面 - クリエイターのためのNFT講座 Decentralandの画面 - クリエイターのためのNFT講座

飾り方ひとつで、イラストがさらに魅力的に見えるな!

これって他の人も見ることできるの?

うん。
こうやってお客さんからもコレクションを見てもらえるというのがミソだね。
現実世界でアートをいくら集めても、たくさんの人に見てもらうには美術館でも作るしかないけど、NFTならかんたんに自分のコレクションを見てもらう場所を作ることができる。

自慢しやすいからコレクターは集めがいがあるってことだな!

NFTは主にETHという仮想通貨で取引される

NFTの仕組みとメリットの説明の最後に、NFTがどのように取引されるかを説明しておこう。
NFTは主にETH(イーサ)という仮想通貨を使って取引される。
イーサリアムのイメージ - クリエイターのためのNFT講座

仮想通貨を使って取引するの?

うん。
NFTの最もメジャーな発行と取引の場となっている場がEthereum(イーサリアム)という名前のブロックチェーンで、そこで使われている仮想通貨がETHだからだ。

ETHは金銭的価値を持つ通貨であると同時に、ネットワークを使うための手数料(“GAS代“と呼ばれる)としても使われる。
イーサリアムを使って何かするためにはETHが必要ってことだね。
NFTを発行したり、買ったりするときにもETHが必要になる。

ETHを持ってないとNFTを発行することができないということかな?

基本的にはそうなるね。
NFTを使って何かしようとすればどうしてもETHが必要になるから、興味がある人はさっさと仮想通貨の取引所に口座を作ってETHを取引できるようにしておくのをおすすめするよ。

さて、NFTの仕組みとメリットの説明はこれでいったん終了だ。
とても奥深い世界なのでまだまだ説明したいことはあるけど、多すぎてもわかりにくくなっちゃうからね。

もう十分お腹いっぱいだよ……。

アーティスト、クリエイターにとってNFTの何がすごいか

ここまでのまとめとして、クリエイターとその作品を買うコレクター双方の観点から、NFTのすごいところをまとめておくよ。
  1. NFTはブロックチェーン技術で発行者と所有者が明確
  2. NFTは価値のコピーを防止できる
  3. NFTは二次流通するとが取引額の一部が発行者に入ってくる
  4. NFTはいろんなサイトやアプリで表示したり使ったりすることができる
  5. NFTは”中抜き”されない

最後の項目だけ説明してなかったで補足すると、NFTはクリエイター自身が発行してマーケットで販売するから、仲介業者が入って利益を中抜きすることがないってことだ。
販売サイトの手数料とかGAS代は必要にはなるけどね。

業者に余計な金をとられないのはいいな!

クリエイター側から見ると、現実世界でのアート取引にあった問題点がいろいろと解決されているわけだな。

どれもクリエイターにとっては非常に重要なことだよね。

コレクターにとってNFTの何がすごいのか

一方で、NFTを買うコレクターの視点からもNFTのメリットを整理しておこう。
  1. NFTは来歴が明確なことから贋作をつかまされることがない
  2. NFTは展示方法がたくさんあり、だれからも見てもらえる
  3. NFTは保管がラク
  4. NFTはかんたんに二次販売できる場が用意されている
  5. NFTは将来価値が上がる可能性がある

③の「NFTは保管がラク」ってどういうこと?

現実のアートだと状態の劣化を防ぐために保管する環境を整備する必要があったり、盗まれないように警備する必要があったりするでしょ?
NFTは場所を取らないし劣化しないし、ハッキングにだけ注意しておけば勝手に所有権を移動されたりすることもない。

④の「NFTはかんたんに二次販売できる場が用意されている」というのは?

OpenSeaみたいなNFTのマーケットはクリエイターが作品を売るだけでなく、それを買った人がふたたび出品することもできるんだよ。
コレクターからすると、いらなくなったNFTも処分がしやすいということになる。

そんときNFTが高くなっていれば、⑤の「NFTは将来価値が上がる可能性がある」ってことになるな!

ここは要注意だけどね。
今はかなりアートNFTはバブル気味だ。値上がりを見込んで買ったNFTが将来無価値になるという危険性も十分にある。
NFT購入は「投機」の側面が大きいということには注意が必要だね。

これでクリエイターとコレクターの双方の視点から、NFTの魅力というものがわかってもらえたんじゃないかな?

難しそうではあるけど、NFTが盛り上がってきてる理由はわかったな!

自分で何か作品を作ってNFTにして売ってみたくなるな。

うん。クリエイターの人にはぜひそういうチャレンジをしてみてほしいね。
というわけで、次回の記事では、実際にマーケットプレイスのサービスを使ってNFTの作成と販売をする手順を説明するよ!

楽しみだな!
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