「F1 Delta Time」ってゲーム知ってる?
F1カーのNFTがオークションですっごい値段で売れたブロックチェーンゲームだろ?
私ももちろん知っている。
ゲームに加えて、去年から今年にかけて多数のブロックチェーン関連企業の買収や事業提携でも話題になったよね。
すげーな!
とても偉い方だな……!
Animoca Brandsという会社や、F1 Delta Timeについて貴重なお話がたくさん聞けたよ。
初めて公開される情報がいくつもあるんじゃないかな。
This article’s contents
Animoca Brandsについて
Q: 金井さんのAnimoca Brandsでのお仕事を教えてください。
金井氏:
IPライセンス取得の交渉やパートナー企業の開拓が主な役割となります。場所は日本を中心とした、香港を除くアジアです。先日イベントに登壇して Animoca Brands のビジネスについての講演を行いましたが、そういったこともやります。
Q: Animoca Btandsさんは日本ではまだなじみの薄い企業ですが、どのような会社なのでしょうか?
金井氏:
Animoca Brands (ASX: AB1)は、オーストラリア証券取引所の上場企業です。ゲーミフィケーション、ブロックチェーンとAI 技術を活用して、「The Sandbox」、「Crazy Kings」や「防衛ヒーロー物語」などのゲームや、Formula 1®、ガーフィールド、スヌーピー、トーマスとなかまたち™、エバーアフターハイ、ドラえもんなどの人気の知的財産キャラクターをベースにした様々なゲームを開発・発売してきました。
香港に本拠を置き、他にフィンランド、アルゼンチン、カナダに拠点があります。例えば、「The Sandbox」は買収したアルゼンチンの会社で開発しています。スタッフ数は全体で200人くらいの規模です。
弊社は香港の最大手モバイルゲーム会社であり、ブロックチェーンゲームの開発会社としても国際的に注目を集めています。
Q:本当に世界中に拠点がありますね!Animoca Brandsさんはこれまで様々なゲームの開発を手がけてきましたが、昨年から盛んにブロックチェーンゲーム関連企業の買収や提携を行なっています。どのような経緯でブロックチェーンゲームの市場に参入したのでしょうか?
金井氏:
Crypto Kitties は Animoca Brands がブロックチェーンマーケットに参加するきっかけです。そこで、Crypto Kitties と提携関係を結んで中国での独占的なディストリビューターになりました。それを皮切りに、Lucid Sight、Gamma、Dapper Labs、WAX、Harmony、Decentralandを含め数多くの大手ブロックチェーン企業の買収や事業提携を行いました。
弊社はブロックチェーンゲームに参入する前から、世界的に有名なブランドのライセンスを取得してゲームとして提供してきました。今まで積み重ねてきた経験をブロックチェーンに活かして、F1とライセンスを締結できて、F1をベースにしたブロックチェーンゲームの開発を行なっています。または、「Football-Stars」を開発した Stryking Entertainment (Bundesliga と Bayern Munich から正式なライセンスを取得した)を買収しました。MLBの正式なライセンスを取得したブロックチェーンゲーム「MLB Champions」を開発しているLucid Sightにも投資し、提携しました。
ご存知の通り、ゲーム市場はあまりに競争が激しく、ブロックチエーンの活用は新しい可能性を広げて、非常に有望なマーケットだと思います。会社としてこのような新しい戦略を選んだわけです。
スマホ向けの一般的なゲームビジネスも引き続き力を入れて提供していきますが、ブロックチェーンゲーム市場への事業展開をすごく大事な戦略と考えています。
ブロックチェーンおよび代替不可トークン(NFT)により、デジタルエンタテインメント業界における重大なパラダイムシフトにつながる可能性が大きいと考えています。今までになかったデジタル希少性と所有権をもたらします。ユーザーがブロックチェーンゲームに費やした時間、努力、お金などをより価値があるリワードに変換できるようになります。
Q:ブロックチェーンゲームの市場規模はスマホゲームと比べると小さいですが、現在この市場をどのように見ていますか?
金井氏:
市場全体はまだ大きくないですが、それにもかかわらず Gods Unchained、Crypto Kitties や F1 Delta Time の NFTs が大変な額で取引されました。ブロックチェーンユーザーの熱量は高く、非常に可能性の大きい市場と考えています。
Q:ブロックチェーンゲームの市場はいつごろブレイクしそうだと考えていらっしゃいますか?
金井氏:
見方によっては去年ブレイクしたと言えるかもしれないし、今年も相当な勢いがあると思っています。My Crypto Heroes や Axie infinity が特にそうですね。
ただ、マス層に広がるのがいつのタイミングになるかはまだわかりません。ウォレットをはじめとしたツール類が使いづらいという声が大きく、ここを解決していく必要があります。
先日、Metamask Mobile がリリースされましたが、こういったことを通してツールが使いやすくなることに期待しています。
Q:これまでの企業買収や事業提携を見ていると、ブロックチェーンゲーム市場で圧倒的No1の位置を目指されているように見えるのですが、そのような目標がおありなのでしょうか?
金井氏:
あまりそういったことは考えていません。今は他社と競争するよりは、むしろ積極的に組んで事業を行い、ブロックチェーンゲームの市場を大きく、良くしたいと考えています。
Q: Animoca Brandsさんとして、ブロックチェーンゲームの市場に今後どのようにアプローチしていく計画でしょうか。
金井氏:
弊社のブロックチェーンゲーム事業には2つの柱があります。まずF1 Delta Time、MLB Champions やFootball-Stars といったスポーツ系の柱。
次は「ユーザー生成コンテンツ(UGC)ゲーム」という柱です。クラフト系ゲームであるThe Sandboxのことですね。
「スポーツ」と「ユーザー生成コンテンツ(UGC)ゲーム」、この2つの柱を中心にして、ブロックチェーンゲームを展開していきます。
世界の上場会社の中でも、ブロックチェーンゲームに集中しているのは Animoca Brands だけと言えます。そういう意味では、ブロックチェーンゲームの投資するなら Animoca Brands の株を買うのは面白かもしれませんね。(笑)
クリエイターが自由にアセットをデザインして生み出すことができる。
Q: 日本ではどのように事業展開されていくお考えでしょうか?
金井氏:
まず F1 Delta Time などのゲームを成功させ、弊社にライセンスを提供してくれた企業に対して、成功例としてお見せしたいと考えています。それらによってブロックチェーンゲーム用の新たなライセンスを取得し、日本のキャラクターを使ったブロックチェーンゲームを展開したいと考えています。
F1 Delta Timeについて
Q: F1 Delta Time が初めて発表されたとき、世界的に人気のモータースポーツであるF1と提携と聞いてたいへん驚きました。
金井氏:
弊社ではブロックチェーンゲームへの参入前から、他社との差別化のためにを知的財産の公式ライセンスを取得してゲームを提供するようにしてきました。今まで積み重ねてきた経験を活かして今回 F1 と提携することができました。
F1 のファンは世界中にいて、そのの中にはお金持ちの富裕層も多そうです。さらにF1関連のコレクションにお金を使う傾向のあるファンが多いという特徴があります。
その点で、F1 はブロックチェーンゲームに向いてる、相性がいいと考えています。
Q: これまで3回、F1カーのNFTのオークションを開催されましたが、手ごたえはどうでしたか?
金井氏:
初回のオークションについては、本当にどこまで行くかはわかりませんでした。オークションが終了してみると、入札価格が113,000米ドルという額を達成したのでとても嬉しく思っています。
次の2回のオークションもいい額になりましたし、反応と反響はすごくよかったと思っています。
Q: この3回のオークションは普通の人には手を出すのがなかなか難しい額でしたが、だれでも参加できそうなセールはいつ頃開催される予定でしょうか。
金井氏:
最初にオークションに出品した3台のF1マシン、特にF1初の NFT である「1-1-1」は、本当に唯一無二の超激レアアイテムです。これからはもっと多くの方にも楽しんでもらえる幅広いコンテンツもお手頃価格で提供する予定です。時期としては、おそらく来月あるいは再来月になります。
販売方式はおそらくパック形式になりそうです。パックを買うとF1カーのパーツが手に入るというものですね。このパーツを組み合わせてF1カーを作ります。
Q: ちゃんとF1カーを作ってレースをプレイしようとすると、どれくらいの金額が必要になりそうでしょうか?
金井氏:
今の時点でははっきりとは言えません。ただ、ほとんどのブロックチェーンゲームと同じように、F1 Delta Time は、ある程度の初期投資が必要なゲームになると考えています。
一方で、弊社が開発している The Sandbox は自分でデザインしてNFTを作って、ゲーム内に利用するか、それをマーケットプレスで売ってお金を稼ぐことができるゲームになっています。
Q: F1 Delta Time はどのようなゲームシステムになりそうでしょうか?自分がレーサーとなってレースに参加することはできますか?
金井氏:
ゲームとしては、「パーツやドライバー集める」「F1カーを作る」「レースを行う」という3つのメイン要素があります。
レースだけではなくて、準備が大切なゲームです。レースに勝つには、F1カーだけでなく、ドライバーも大切です。
加えてコレクティブとしての楽しさがあります。本物のF1カーなら何十億円もしますが、F1カーの NFT なら高いけれども手に入れられる金額です。
レース用の TRACK も NFT として所有できるようになります。レースに参加するには参加者がエントリーフィーを払う必要があるのですが、TRACK のオーナーはその一部を受け取ることができます。
ブロックチェーンゲームには複雑なシステムを持ったものはまだ出ていませんが、F1 Delta Time は、F1 のファンと仮想通貨のオーナー両方が喜べるような本格的なF1ゲームを目指しています。
お客さんの声を聞きながら、さらにライセンス供給元であるF1の声も聞きながら、いいものにしようと開発を進めています。
Q: 日本語対応の予定はありますか?
金井氏:
リリース当初から日本語対応する予定です。日本は最先端のテクノロジーを持っていますし、ブロックチェーンビジネスもきちんと成長軌道に乗せていますし、それから日本の F1ファンも熱いです。日本はすごく大事な市場だと考えています。ユーザーの多い My Crypto Heroes があり、韓国と同様にブロックチェーンゲームが盛んな国です。
The Sandbox もしっかり日本語対応します。
Q: 日本のブロックチェーンゲーマーにメッセージがあれば教えてください
金井氏:
日本のゲーマーは熱いしゲームが大好きなので、日本のゲーム市場はすごく大事だと考えていて、いいゲームを出すために今懸命に努力をしているところです。
Animoa Brands として、F1 Delta Time、The Sandbox をまずリリースしますが、未発表の新しいゲームも控えています。ぜひ Animoca Brands のゲームに期待してほしいですね。
おわりに
日本での貴重な時間をいただけてありがたかった!
日本のアニメ、マンガといったコンテンツがブロックチェーンゲームとして登場する日も近いかもしれないよ。
もともとゲームをしっかり開発してきただけあって、どんなテーマのゲームでもクオリティは期待できそうなのがAnimoca Brandsさんの強みだね。
これからさらにブロックチェーンゲームの市場でおもしろいことをしてくれそうだね!